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【発達障害】自信をつけるには「叱る」より「ほめる」こと
AHDDやLD学習障害、自閉症スペクトラムなど発達障害の子どもは、周囲の人から叱られたり怒られる体験が多くなりやすく、自信をなくしてしまいやすい傾向があります。
発達障害の子どもに自信をつけるには、自尊感情を高めるためにはどのような対応や言葉がけがよいのでしょうか。
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叱られて自信をなくしてしまう発達障害の子ども
発達障害(ADHD・LD学習障害・自閉症スペクトラムなど)の子どもは、不適切な行動が目立ったり、コミュニケーションが苦手だったり、ミスや失敗体験が多くなってしまいやすいといえます。
発達障害だと日常生活のなかでいろいろな問題やトラブルが生じやすいといえますが、その原因はそれぞれの発達障害による特性のためで、本人の努力不足や怠けているからではありませんし、わざとor故意に振舞っているわけでもありません。
ほとんどの場合、発達障害の子どもは「うまくできない」「理解されない」「わかってくれない」と、本人も心の中に悩みや困り感を抱えているものです。
どうしたらいいかわからず困っている発達障害の子どもを、親や教師など周囲の大人が厳しく叱ったり、責めたりしてしまうと、本人は自信を失い、自己肯定感を持てなくなってしまいます。
「叱る」より「ほめる」|発達障害の対応
自信を失い、自尊感情も低くなってしまうと、発達障害の子どもは「何をやってもダメ」「どうせできない」「自分には価値がない」と考えるようになり、やる気や意欲を失ってしまいます。
また、人間関係においても「人を信頼する」ことができなくなってしまい、対人関係の問題がさらに悪化してしまうことにもなりかねません。
ですので、発達障害の子どもの不適切な言動や問題行動に対しては、「ごほうびをおあずけにする」程度にしておき、「叱る」より「ほめる」ことに重点をおいた接し方が望まれます。厳しく叱ったり、罰を与えるなどの対応は控えた方がよいでしょう。
ほめ方のポイント【発達障害の接し方】
発達障害児との接し方のポイントは、きつく叱らないかわりに、良い行動ができたとき、上手くできたときに、しっかりと「ほめる」ことです。
叱り方は控えめにしておき、褒めることを強調することで、発達障害の子どもを望ましい行動へと導いていくのです。
発達障害児のほめ方のポイントは、次の4つです。
①すぐほめる
②簡単な言葉で伝える
③ほめることに集中する
④言葉以外のスキンシップも
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①すぐにほめる
発達障害の子どもを褒めるときは「すぐにほめる」ことが大切です。成功したとき、うまくできたときには、時間をおかず、すぐにほめるようにしましょう。
すぐにほめることで「適応行動」と「ほめられた体験」が結びつきやすく、良いイメージとして残り、子どもが次からも同じような行動をとろうとするようになります。
「間をおかずにすぐにほめること」がポイントです。
②簡単な言葉で伝える
ほめるときには、簡単な言葉で表現することがポイントです。例えば「上手だね」「よくできたね」「えらい!」「すごい!」「うれしい!」など、簡潔でシンプルな表現でほめるようにしましょう。
間接的な表現や複雑な言葉では「ほめている」こと自体が発達障害の子どもに伝わりにくくなってします。喜びの気持ちをストレートに表現するようにしましょう。
③ほめることに集中する
また、発達障害の子どもに限らず、ほめるときは「ほめることだけ」に集中しましょう。「これができればもっとよかった」「ここを直せばもっとよくなる」といったほめ方では、ほめられているのか、注意されているのか、分かりにくくなってしまいます。
ほめるときは、徹底してほめること、手放しでほめるのがポイントです。
④言葉以外のスキンシップも
ほめることを強調するためにも、言葉以外の表現方法も使いましょう。「抱きしめる」「ごほうびをあげる」など、発達障害の子ども本人が「ほめられた」と強く実感できるように、言葉以外の伝え方も大切です。
言葉でほめるのに加え、ボディランゲージやスキンシップをすることで、ほめられた体験が強く印象付けられます。
発達障害の叱り方「無視する」
発達障害の対応ポイントは「叱る」より「ほめる」こと、といっても、不適切な行動や問題行為に対して何もアプローチしないわけにもいきません。
何かしらの「NO」のサインを示す必要はあります。その場合、効果的な方法として「無視する」という叱り方があります。
発達障害の子どもが望ましくない行動をしているとき、子どもと目を合わせず、視線も向けないようにして「無視」することで、「その行動を認めていない」というサインになります。
他にも、親子間で決めたルールを守れなかったりした場合には、「ゲームの時間を30分減らす」「トークンのポイントを減点する」などの罰を与える対応も有効です。
発達障害の子どもへの罰は、怒ったり叱ることではなく、子どもが損をすることが客観的にわかるような方法で行うことが望ましいといえます。
◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかる発達障害の子どもたち(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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