日本での発達障害の人数は?何人に1人の割合なの?
発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群、ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD学習障害などを中心とする、脳機能の障害のひとつです。
近年、日本国内の小学校や中学校などの教育現場においても、発達障害児への理解も広がりをみせてきていますが、発達障害がある子どもの割合はどれくらいなのでしょうか。
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日本で発達障害が注目されるまで
「発達障害」とは、子どもの発達過程においてみられる、認知や行動の障害などの発達の遅れを意味します。
アメリカ精神医学会の診断基準「DSM」では、発達障害とは「精神発達遅滞・広汎性発達障害」の意味となり、具体的な発達障害として、自閉症、アスペルガー症候群、LD学習障害、ADHDなどに分類されます。
一昔前、1970年以前の日本では、精神発達遅滞(知的障害)のことを発達障害と呼び、ADHDや LD学習障害、広汎性発達障害はあまり注目されていませんでした。
ですが、1980年代以降、小学校や中学校などの教育現場において、知的障害がないのに特定の教科の成績が低かったり、集団生活が苦手な子の存在が注目されるようになり、日本において「発達障害」の認知度も少しずつ広がるようになってきています。
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発達障害の割合は?人数はどれくらいいる?
では、日本国内において発達障害はどれくらいの割合なのか、人数でいえば何人に1人の割合なのでしょうか。
文部科学省が2002年に実施した全国の小中学校対象の調査では、6.3%の割合で発達障害に該当する子どもがいる、と報告されています。
6.3%の割合ということは、人数だと当時で約68万人、学校で40人のクラスだと2〜3人くらいの割合でなんらかの発達障害の生徒がいることになります。
6.3%の割合を人数に置き換えると、16人に1人の割合になるので、日本全体としてもかなりの人数の発達障害がいる計算になることもあり、小学校や中学校などの教育現場だけでなく、医療関係者や専門家の間でも、発達障害についての関心が高くなってきています。
発達障害の定義と意味について
こうした流れもあり、日本では2005年に発達障害者支援法という法律が制定され、発達障害の早期発見と教育現場での支援の重要性がフォーカスされるようになっています。
発達障害者支援法の法律の中では、発達障害は次のような意味として定義されています。
「発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群、そのほかの広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、そのほかこれに類する脳機能の障害であって、その症状が通常年齢において発現するもの」
実は、日本国内での発達障害の定義と、アメリカ精神医学会の診断分類による定義は、少し異なっています。また世界保健機関(WHO)の疾病分類ICD-10の内容とも異なり、発達障害の捉え方は世界的にも統一されていないのが現状です。
とはいえ、発達障害はかなり多い割合で存在し、私たちにとっても身近な障害のひとつといえます。
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