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【ADHD・LD(学習障害)の対応】話を聞くことに集中する練習方法は?
ADHDやLD(学習障害)などの発達障害の子どもの中には、聴覚には問題がないのに、聞きとりにくさを抱えている子どもがいます。
なぜ、先生の話を聞きとることが苦手なのか、背景や原因を知り、発達障害の子どもがつまずきを乗り越えるための支援をおこなうことが大切です。
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LD(学習障害)、ADHDの子が楽しく取り組めるように
授業などで先生の話を聴いて理解するためには、まず話に集中する必要があります。
LD(学習障害)やADHDの子が、聞くことに集中する力をつけるため、ゲームの要素を取り入れて楽しく練習しましょう。
楽しい課題なら、子どもも「聞きもらさないようにしよう」とやる気をもって意欲的に取り組めます。
メモをとる、聞きもらしたときには質問するなど、聞く力を補う習慣を持たせるのも有効です。
話が理解できないのは短期記憶が原因?
授業中などで先生の話を聴くときには、耳にした音を記憶する、前後の事端自分の知識と照らしあわせて文脈を理解する、などの複雑な作業がおこなわれます。
聞いた音を一時的に覚える短期記憶に弱さがあると、長い語句や文章の理解ができなくなります。
例えば、ちょっとざわざわしているだけで、先生の話し声が聞き取れない、というLD(学習障害)・ADHDの子どももいます。
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【その他の背景と原因】
・小さい「っ」「ゅ」などの拗音や促音が聞きとれない
・まわりのざわつきに気が散ってしまう
・重要な指示や、言葉の聞きもらしがある
宿題や忘れ物が多いLD(学習障害)やADHDの子
LD(学習障害)やADHDなどの発達障害がある子どもが、持ち物や宿題、テストに関する指示がよくわからず、聞いても忘れてしまう傾向があります。
そのため、忘れ物が多くなったり、成績が落ちてしまったりすることが多いのです。
ゲーム形式の練習で楽しみながら、聞き取りに必要な集中力をつけていく対応が効果的です。
対応例:絵や写真を見ながら折り紙を折る
【言葉の指示を理解するために】
言葉の指示と、手順を示した絵や写真も使って、折り紙を折らせる。折り紙を折るには、言葉の聞きとりだけでなく、内容の理解も求められるので、内容を理解する練習にもなる。
対応例:聞きとりゲーム
【拗音や促音を正確に聞きとるために】
【話に集中するために】
【一時的な短期記憶が弱い子のために】
先生がカードの書かれた絵や文字の単語を一度だけ言う聞きとりゲームも効果的。先生が言った単語を書きとり、みんなで正解の数を競い合う。「一度しか言わない」と子どもに伝えて、集中させる。
【応用例】
言葉にする単語は子どもにあわせて変える。算数が苦手なら数字「321」など、理科が苦手なら「けんびきょう」など、現在の学習内容とリンクさせるのもよい。
◆この記事は、東京都杉並区立済美教育センター指導教授、早稲田大学大学院教育学部教職研究科非常勤講師、月森久江先生執筆・監修「ADHD LDがある子どもを育てる本(講談社)」の内容を元に、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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