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境界性パーソナリティ障害を完治するための治療方法の流れは?

境界性パーソナリティ障害の治療は、患者さんが内部に抱えているいろいろな自分に気づかせ、受け入れられるように導きます。

境界性パーソナリティ障害の本人だけでなく、家族への指導を含むこともあります。

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境界性パーソナリティ障害の治療の流れ

境界性パーソナリティ障害の治療の流れの一例をみてみましょう。

治療の進め方や、かかる時間・期間は患者さんによっても違いますし、医師によっても多少異なってきます。

①治療の目標を決める

「よくしたい」「楽になりたい」などの漠然とした目標よりも、具体的な治療目的がある方が、境界性パーソナリティ障害の治療意欲も高くなります。

【例】
・アルバイトをしたい
・学校、職場に戻りたい
・ひとりでいられるようになりたい

②治療のルールを決める

境界性パーソナリティ障害の患者自身が、治療者(医師や臨床心理士)を理想化するなど、治療上の関係が混乱することも少なくありません。

診察の時間など治療の枠組みを最初に決めておくと、医師との関係がはっきりし混乱を防げます。

医師や臨床心理士の役割は「治療のガイド」です。

ガイドは道のりを先導し、共に歩くものですが、境界性パーソナリティ障害の患者さんの悩みを背負ったり、重い荷物を肩代わりするものではない、とあらかじめはっきり伝えておくことが多いようです。

・予約や診察時間を守ることを徹底し、例外をつくらない
・医師や臨床心理士の役割を明確にする

③具体的な療法に入る

医師による精神療法(カウンセリング)を通じて、境界性パーソナリティ障害の患者本人が衝動的な行動を起こさず、自分の気持ちや、やりたいことを冷静に表現できるように導きます。

気持ちのコントロールができるようにする

自分の中に、いろいろなモードのじぶんがあると気づいてもらいます。

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不安を抱えた幼い自分を受け入れて「悪い自分」「よい自分」を少しずつ近づけ、「ものごとには良い面も悪い面もある」と考えられるようにします。

自分の気持ちや行動を見直し、言葉で言えるようにする

医師や臨床心理士が患者さんの行動の理由や気持ちを説明するヒントを与え、徐々に自分の気持ちを行動で表現せずに、言葉で言えるようにします。

また、今までの行動パターンを見直し、なぜそのようなことをしたのか、自分を客観的に見る練習もします。

治療は患者本人がおこなうもの

医師や臨床心理士は、境界性パーソナリティ障害の患者さんの話を受け止め、考え方のヒントを出すことはあります。

しかし、治療は自分で自分を見つめ、受け入れていく作業です。

境界性パーソナリティ障害の診断名は本人に告知すべき?

境界性パーソナリティ障害の診断名を本人に告知して伝えるかどうかは、個々の医師の判断によります。

最近は、境界性パーソナリティ障害についての情報が増えたため、直接本人に診断名を伝えることが多いようです。

境界性パーソナリティ障害の治療では、薬は補助的に、カウンセリングが中心

境界性パーソナリティ障害の治療では、薬は補助的に使い、精神療法が中心です。

精神療法の目的は、自分の気持ちをコントロールし、もっと楽に人間関係を築けるようにすることです。

現在、境界性パーソナリティ障害の精神療法について統一の治療方法は決まっていませんが、多くの場合「約束を決める」ことから始まります。

「問題行動を起こさない」「決められた治療時間を守る」などの約束をはっきりさせ、患者さんが欲求のままに行動するのを防ぎます。

境界性パーソナリティ障害の治療方法の精神療法(カウンセリング)は、高度な技術を要する治療法で時間もかかります。

そのため、現在のところ、健康保険適用外の自由診療でおこなっている医療機関がほとんどです。

◆この記事は、市橋クリニック院長、精神保健指定医の市橋秀夫先生執筆・監修「パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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