統合失調症とは、どんな病気?症状/兆候/診断/年齢/原因

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統合失調症とは、どんな病気?症状/兆候/診断/年齢/原因

ここ最近、身近に「統合失調症」という言葉を耳にする機会が増えてきているように感じます。

統合失調症とは、精神疾患(精神病)のひとつで、昔は精神分裂病とも呼ばれていた病気です。

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今回は、統合失調症について、よくある疑問や質問について調べてみたので、Q&A形式で書いていきますね。

Q.統合失調症の患者人数と割合は?

統合失調症の発症率は約1%、人数でいうと100人に1人の割合で発症するといわれています。

統合失調症は、とくに珍しい病気ではありません。

ですが、統合失調症について正確に理解している人の数は少ないともいわれていて、偏見や誤解、勘違いが多い病気ともいえます。

統合失調症の症状や診断方法、発症原因について、正しく知っておくことが適切な対応や治療につながります。

Q.統合失調症はどんな症状があるの?

統合失調症の症状は、患者さんによって個人差が大きいものです。

統合失調症でよくみられる症状は、「妄想」「幻聴」などで、実際には聞こえるはずのない人の声が聞こえてくる症状や、ありもしない出来事を現実のことと思い込むような症状です。

妄想や幻聴などの統合失調症の症状を「陽性症状」といいます。

他に統合失調症の人のみられる症状には、やる気や意欲の低下、ひきこもりなどの「陰性症状」や、知能や記憶力などの能力が低下する「認知機能障害」などもあります。

統合失調症とひと言で言っても、ひとそれぞれにあらわれる症状は違います。

Q.統合失調症になる前の兆候や前兆は?

統合失調症の陽性症状(幻聴や妄想)があらわれる前の兆候として、前駆期という心身の不調の時期があります。

抑うつ、不安、焦り、不眠、やる気のなさ、意欲の低下などの症状はあらわれるケースが多いようです。

他にも認知機能障害や、軽い幻覚や妄想の症状がでてくる人もいます。

その結果として、学校の成績が悪くなったり、人間関係がこじれて友達が少なくなったりすることもあるのですが、子供の思春期の問題として見過ごされることも多く、家族も統合失調症の症状に気づかないケースも少なくありません。

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「最近何か変だな」と感じたら、早めに病院を受診することを考えてみてください。

Q.統合失調症の診断方法は?

統合失調症の受診先は、病院の精神科や神経科などです。

統合失調症の診断方法の基本は、医師と患者の問診です。

他にも、統合失調症の診断のために、MRIやCTなどで脳の画像検査をして、さらに血液検査、脳波検査などをします。

問診時に、今までの生活の様子や病気の経験、症状が始まった時期や今の状態など、いろいろな質問のやりとりから、会話の内容や本人の態度など、総合的に医師が判断します。

Q.統合失調症は何歳くらいで発症するの?

統合失調症の陽性症状(幻聴や妄想)があらわれる年齢は、20代前半が多くて、10代後半や20代後半の年齢層も多くみられます。

女性よりも男性の方が統合失調症を発症年齢が早い傾向があり、年齢が若いほど回復が難しくなるケースも多いといわれています。

学校の卒業や就職、結婚、出産などの大事な時期と重なることも多く、仕事や将来の進路にも大きな影響がでることも少なくありません。

Q.統合失調症の発症原因は何?

統合失調症の発症原因については、遺伝的な要因が影響していると考えられています。

ですが、親が統合失調症の場合に子供が統合失調症になる確率は10%程度といわれています。

遺伝以外にも、子供の頃の発育環境や精神的なストレスなども統合失調症の発症原因のひとつと考えられていて、さまざまな要因が影響して発症する病気といえます。

ただし「親の育て方のせいで、統合失調症になった」というように極端に考えるのは間違っている、と専門医は言っています。

Q.統合失調症と似ている症状や病気は?

統合失調症とよく似ている症状の病気には、うつ病や躁鬱病があり、違いを見分けるのは専門家でも難しいといわれています。

他にも統合失調症の症状とよく似ているものには、違法薬物による症状や、抵パーキンソン薬の副作用による幻覚や妄想、側頭葉転換やウイルス性脳炎、脳腫瘍などのケースがあります。

Q.統合失調症は治る病気なのか?

統合失調症は、きちんと治療を受けることで症状は改善し、落ち着いて生活できるように回復します。

ただ、完治するとまでは言いづらく、生活しづらい感じや能力の低下は残ることもあるようです。

統合失調症が回復してきたからといって服薬を途中でやめたり、無理をしてストレスを溜めたりすると、統合失調症を再発しやすくなります。

統合失調症の再発防止も重要なテーマになります。

◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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