人格障害とパーソナリティ障害の違い、意味は?

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人格障害とパーソナリティ障害の違い、意味は?

「人格障害とパーソナリティ障害って、似たような言葉だけど、どう違うの?」という疑問を持つ人も多くみられます。

実は、近年になってから、人格障害は「パーソナリティ障害」と呼ばれるようになってきて、2つは同じ障害であって呼び方が違うだけなのです。

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人格障害の意味とは?

「人格障害」は、英語の「Personality Disorder」の日本語の訳語として広く使われてきています。

しかし、「人格」という言葉は、単なる「人の性質」以上に、倫理観、道徳などと結びついている性質があり、人格障害と聞くと「人間としてなっていない」など強い否定感を感じさせる問題があります。

また、人格障害は人格が崩壊していて「犯罪のおそれがあるのでは」と誤解している人も多くいます。

【人格障害からパーソナリティ障害へ】

そこで、最近では、人格障害のマイナスイメージをなくし、障害をかたよりなく理解できるようにするために、人格障害のことを「パーソナリティ障害」と、または、より具体的に「パーソナリティ機能障害」と呼ぶようになってきています。

「人格」「性格」という言葉は、良い悪いと表現されることが多く、人間としての質に関わる障害と勘違いされ、誤解されてしまう傾向があるからです。

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【例】
・性格が良い
・性格が悪い
・人格者だ
・立派な人
・人格を疑う
・人格が破綻している

パーソナリティとは、どういう意味?

パーソナリティは、客観的にはかったり、数値化して数字で表せるようなものではありません。

ですので、どこからが正常で、どこからが異常かの線引きはできません。

パーソナリティは、その人の個性でもあります。

パーソナリティの問題である「パーソナリティ障害」はすべて、周囲の人や物事との関係で生まれてきます。

【パーソナリティ障害とは?】

パーソナリティ障害の診断には「本人が苦痛を感じてる」「周囲とのまさつが大きい」といった不便さや悩みがあることが前提条件です。

自分と外の世界との間に安定した関係を築くことができず、それを本人が治したいと思っている場合は、パーソナリティ障害の治療対象になります。

ですが、本人が自分自身に不自由を感じず、周囲との摩擦が少なく、不便さや悩み・問題がないのならば、パーソナリティ障害があるとは言えないのです。

周りの人からみれば、風変わりな人、つきあいにくい人でも、実際には周囲の人との関わりが少ないなどで、本人が問題なく過ごすことができれば、ある意味それでもかまわないのです。

◆この記事は、市橋クリニック院長、精神保健指定医の市橋秀夫先生執筆・監修「パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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