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【統合失調症】幻覚や妄想症状の家族の接し方のポイント|前駆期と急性期
統合失調症は病気の症状によって、前駆期、急性期、消耗期、回復期、寛解期の5つに分けられます。
家族の接し方についても、それぞれの時期、病気の症状によって対応が変わってきます。
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統合失調症の前兆がみられたら精神科の受診を|前駆期
統合失調症の前駆期の症状は、病気を発症する数年前から現れるようになり、この段階で治療を開始すると比較的経過が良好になるとされています。
ですが、前駆期では本人も家族も統合失調症という病気についての知識もなく、病気の兆候を見逃してししまいやすいものです。
統合失調症の原因はさまざま考えられていますが、もともとストレスに弱い人が人生の中でストレスがたまり、脳が障害されて発症するものと考えられています。
ですので、人間関係での悩み、異性問題、経済的な問題、受験や就職などに対して、本人がひどく悩み、その症状として不眠や食欲がない、不安、抑うつ、イライラしやすい、引きこもりがちになる、といった状態が見られる場合には精神科を受診して相談してみることを考えた方がいいかもしれません。
思春期に多い統合失調症の前駆期の症状
また、統合失調症の前駆期の症状は思春期にあらわれることも多く「思春期だから」と簡単に考えてしまい、放置してしまっている間に病気が進行して悪化してしまうことも少なくありません。
早めに精神科を受診することで病気そのものの発症を防げることもありますし、すでに統合失調症を発症していても重症化を未然に防げることもあります。
病院の精神科を受診することに対して抵抗を感じる人も多いのですが、統合失調症は早期発見、早期治療が大切になります。
幻覚や妄想など陽性症状への家族の接し方のポイント|急性期
統合失調症の急性期では、妄想や幻覚、幻聴などの陽性症状があらわれてきます。
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「みんな私の悪口を言ってる」「誰かに操られている」などの妄想や幻覚、幻聴の症状がみられ、家族に対しても暴言を吐くなど激しい症状があらわれる時期です。
こうした統合失調症の陽性症状があらわれたときには、家族は患者本人に対して傾聴し、受容する姿勢が大切になります。
患者本人が思っていること、感じていること、つらい気持ちなどについて話してもらい、それをしっかりと受け止め、傾聴する接し方がポイントになります。
本人が興奮状態になっていても、誰かに気持ちを話しているうちに徐々に落ち着いてくることがありますので、落ち着いてきたら「疲れたでしょう」と声をかけてゆっくりと休ませるようにするとよいでしょう。
また、なかなか激しい症状が治まらない場合には、抗不安薬や抗精神病薬などを飲ませて興奮状態を鎮めることが必要になります。
暴力や暴れるときの家族の対応について|統合失調症
場合によっては、統合失調症の患者本人が激しく興奮して暴れたり、家族に対して暴力を振るうこともあります。
そうしたとき、家族や周りの人が興奮すると、状態はさらに悪化してしまいます。家族の落ち着いた対応によって、本人の興奮状態がおさまることも多いのです。
とはいえ、患者本人が刃物を持つなどの危険な状態になった場合には、家族は自分の安全を第一に考えるようにしましょう。
攻撃の対象となっている家族と統合失調症の患者本人と距離をおいたり、一時的に家を出るなどの対処が必要になるケースもあります。
家族が傷つくと、後になって患者本人も責任を感じ自分を責めてしまいますし、家族も恐怖感を抱き、その後の治療や対応が難しくなってしまいます。
統合失調症患者の暴力行為がみられたときは、主治医に相談して入院を考える必要があるかもしれません。ときには警察に連絡する必要がある例もあります。
統合失調症患者の言動を受け入れることが家族の基本的な対応ではありますが、どんな理由があっても暴力行為は許してはいけません。
◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。
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