【自閉症の特徴②】クレーン現象、繰り返し行動、執着こだわり

【自閉症の特徴②】クレーン現象、繰り返し行動、執着こだわり

自閉症の子どもには様々な特徴がみられ、その中には、クレーン現象・繰り返し行動・執着(こだわり)も含まれます。

そこで今回は、自閉症の特徴でもある、クレーン現象、繰り返し行動、執着こだわり、の3つについてポイントをまとめてみたいと思います。

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(1)クレーン現象・指差ししない

指差ししない、というのも自閉症の子どもの特徴です。

普通の子どもの場合、自分が欲しいもの「あれ欲しい」と欲しいものを指差ししますが、自閉症の子は、指差しをして要求することがありません。

その代わり、親の手首を持って欲しいものがあるところまで引っ張っていく行為「クレーン現象」をすることがあります。クレーンのアームを操作する動きににていることから「クレーン現象」と呼ばれています。

自閉症の子どもは、相手の気持ちや考えを理解することが苦手なため、自分の欲しいものを相手に伝えなければ相手にわかってもらえない、ということが理解できません。

自分がして欲しいと思うことは、いちいち相手に伝えなくてもわかってもらえている、という思い込みをしてしまうのも自閉症の特徴です。そうした背景もクレーン現象の行為と関係していると考えられています。

(2)繰り返し行動(常同行動)

自閉症の子どもは、視覚・聴覚・触覚・味覚などの感覚が普通の人とは違うことが多いようです。

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その自閉症独特の感じ方によって得られる刺激が本人にとって好ましいものであるため、同じ刺激をまた受けたいと思い、同じ行為を繰り返す「常同行動」も自閉症の特徴です。また、特定の刺激を受けることを好む行動という意味から「自己刺激行動」と呼ばれることもあります。

自閉症の子どもに多い常同行動の例として、手をひらひらさせる、手をパチパチたたく、つま先立ちで歩く、ぴょんぴょん跳ねる、などの動作があります。

これらの動作をすることで感じられる刺激に対して強くこだわるようになり、常同行動がやめられなくなってしまう、と考えられています。

自閉症の常同行動(繰り返し行動)は、まわりの人にとっては「変な行動」としか感じられず、理解してもらうことが難しいといえます。しかし、常同行動には理由があり、例えば、緊張や不安、不快な気持などを安定させようとして繰り返し行動をするといわれています。

つまり、自閉症の常同行動には、子どもが精神的ストレスを感じている、と考えることができます。

(3)執着・こだわり

執着やこだわりも自閉症の子どもにみられる代表的な特徴のひとつです。

自閉症の子どもは、道順、物の位置、並び方など、様々なものに強いこだわりを持つ傾向があります。そのため、毎日のスケジュールもパターン化したほうが精神的も安定しやすくなります。

逆に、予定変更や中止など、予定通りにできなくなると、不安や緊張が高くなりやすく、場合によってはパニックをおこしてしまうこともあります。

また、全体を俯瞰的にとらえることが苦手で、細部にこだわる傾向があります。

例えば、おもちゃのミニカーのタイヤがクルクル回る様子だけに熱中して見続ける自閉症の子どもがいます。ミニカーを車のおもちゃととらえて遊ぶのではなく、タイヤという一部分だけに注目するのです。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかる発達障害の子どもたち(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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